ご家族から、「大きないびきをかいている」「寝ているときに息が止まっていることがある」と言われたことはありませんか?
睡眠時無呼吸症候群とは、文字通り睡眠中に頻繁に呼吸が止まってしまう病気です。
具体的には7時間の睡眠中に30回以上の無呼吸がある状態と定義されており、自分でも気づいていない方を含めると日本には推定で200万人以上の患者さんがいるといわれています。
気道(呼吸の通り道)の物理的な閉塞や狭窄で引き起こされる無呼吸です。肥満の方や顎が小さい方、扁桃が肥大している方に多く、大きないびきを伴うのが特徴です。無呼吸の方の大半はこちらのタイプになります。
元々心臓や脳に持病のある方に起きる無呼吸です。 脳からの呼吸の命令が行き届かず、呼吸筋が働かないことで無呼吸となります。
・大きないびきをかいている
・何度も夜起きてしまう、トイレに行く
・寝汗をかく
・起きた時に頭が重い、すっきりしない、寝た気がしない
・よく寝たはずなのに日中眠くて仕方ない
・集中できない、仕事の能率が悪い
睡眠時無呼吸症候群の症状や合併症がないかを問診で確認します。
簡易検査は入院の必要はなく、ご自宅で検査できます。睡眠時の呼吸状態を酸素濃度測定、呼吸センサーで検査し、AHI(無呼吸低呼吸指数)という指標で評価します。AHIとは睡眠1時間当たりの無呼吸や低呼吸の合計の回数を表したもので、AHI≧15で中等症、AHI≧30で重症の睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
睡眠時無呼吸症候群の治療はCPAPという医療機器で行います。CPAPとは、持続陽圧呼吸療法と言う治療で、睡眠中に鼻に装着したマスクから圧力をかけた空気を送り込み、空気の通り道を開かせて呼吸しやすくする治療です。CPAPを使用すると多くの患者さんは、いびきや日中の眠気が改善します。CPAP療法を行った方は行わなかった方と比較し生存率が上がることも分かっています。